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CW Gallary 002

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撮影場所:兵庫県尼崎市 撮影:平 桂弥


私はシリアスになっている。なんでそうなったかと言うと、今年の元旦二回も大凶を引いたことを年末の今頃思い出して、ついでに一年の反省をしているからだ。
去年、サン=テグジュベリの翼の王国を読んでいて、(たぶんそうだったと思う。)「願いごとは必ず叶うから、きちんと考えて願わなくてはいけない。」といった様な言葉を見つけて、願い事を考えた。
人は何をもって幸せとするかは難題だ。人類とか、地球全体まで広げてしまうと益々複雑になってくる。自分の快適が、人の快適と同じとは限らない。
考えた末、取りあえず自分の事だけ書いて壁に貼ってある。

願い事・・・・・
好きな仕事が続けられて
その仕事で収入が得られて
その収入で自由が確保できること
住みたいところに住んで
愛する人と暮らせて
旅行をするだけの時間とお金があること
死の直前まで別れの悲しみを知らず
良いもの美しいものを愛し
珍しいことに出会って喜んでいられること

昨日から痒いな、と思っていた左目が熱を持ってきたみたいで、ちょっと痛い。
今日はもうパソコンは止めとこう。といいながら、夜更けてから煙草屋の写真を見ている。
しんせい、いこい、ホープ、バット、ピース。父の使いで買いに行った煙草の名前である。
父が服に灰を落とすのも、畳に焦げあとを作るのも、時々せき込むのも、白目が黄色くなるのも、動脈硬化になったのも、みんな煙草が悪い。と母は言っていた。
煙草は、父のちょっとした慰めだった。いよいよ体調が悪くなってからも、まずそうに煙草を吸っていた。止めときなさいよ、と母に叱られながら。
私は、父と煙草をセットで思い出すから両方懐かしい。
父は、癌で逝ってしまい。くたびれたから、なんか食べよー 、と言ってしょっちゅう甘い物を食べていた母は、今糖尿病の治療中。
「慰めは、身体に悪い」両親から学習した教訓である。
今側に母が居たら、「夜更かしは身体に悪いから、目の痛い時ぐらい早く寝なさい」と言うだろうな。
切ないこと、辛いことのほとんどを周りの大人達に任せていた子供の頃の、霧の中の風景の様な想い出は、煙草屋の前の路地から始まった。
幼年期、父と母が私に与えた幸せ以上のものを、私は願ってはいないのだ。

エス・トモ

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