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CW Gallary 004

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撮影場所:兵庫県西宮市 撮影:平 桂弥


絵を描く方法は、色々あって、その考え方も絵描きの数ほどある。
他と比べて、自分の方がどれほど深く真実かを言ってみたり、誰かが自分より才能があると謙虚になっても、本当に仕方のないことなのだ。言葉だけがむなしく、確信にふれないまま疲れて、自己嫌悪の要因を作るだけだ。
だから、私が一番重要だと考えることについて、あなたに正確に伝えることも、最初からほとんど諦めている。
それでも、いくつかの言葉の断片から、想像力を働かせて欲しい。
そして、想像の中の世界で、私が伝えようとしていることを、一本一本の線にして、又は切り絵の様に、色の面で形を作ってみて欲しい。
私が伝えたいと思うことは、つまり、あなたの想像力に頼る以外、伝える方法が無いということなのだから。

…若い絵描きへ送る詩

言葉にならないことに真実はあるから
本当に注意深く耳をすませていよう
風が木の肌にあたるとき
土が日に照らされて
きのうの霧がもやになるとき
野原にでてきた猫の
やわらかな足が
すこしの若菜をふむとき
その接点の感触の ひとつひとつが
自分のほおのうえに感じるように
注意深く
注意深く
そうすると
地球上で起こるすべてのことが
自分とつながっていると思えるときがある
そして
ふくれあがる感情が
身体いっぱい充満し
指先からつゆになって
一滴一滴したたり落ちる
このつゆを集めて描けば
どれほど美しい線がかけるかと言うことなのです。

エス・トモ

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